ショパンは歌曲を20曲書いています。
17曲は「17のポーランドの歌 Op.74」として正式にポーランド語版とドイツ語版で出版され、残りの2曲は遺作として、あとの1曲は無伴奏のメロディーのみがチェコ版から出版されています。
第1曲 – 願い(乙女の願い)Życzenie
第2曲 – 春 Wiosna
第3曲 – 悲しみの川 Smutna rzeka
第4曲 – 酒宴 Hulanka
第5曲 – 彼女の好きな Gdzie lubi
第6曲 – 私の見えぬところ Precz z moich oczu
第7曲 – 使者 Poseł
第8曲 – かわいい若者 Śliczny Chłopiec
第9曲 – メロディ Melodia
第10曲 – 闘士 Wojak
第11曲 – 二人の死 Dwojaki koniec
第12曲 – 私の愛しい人 Moja pieszczotka
第13曲 – 望みはない Nie ma czego trzeba
第14曲 – 指環 Pierścień
第15曲 – 花婿 Narzeczony
第16曲 – リトアニアの歌 Piosenka litewska
第17曲 – 舞い落ちる木の葉 Śpiew z mogiłky
遺作 魔力
遺作 ドゥムカ
遺作 どんな花
ショパンは歌曲を出版目的ではなく、プライベートなものとして19歳から晩年まで大切に書き続けました。
ショパンの死後、友人のユリアン・フォンタナが遺稿を整理する中で16曲を見つけ、後にシュレジンガーが1曲を足して、17曲が出版されました。
各曲にはマズルカやポロネーズのリズムが使われており、祖国への想いも読み取れます。
詩はすべてポーランドの様々な詩人によるものです。
リストはこのショパンの17曲の歌曲の中から6曲を「6つのポーランドの歌」としてピアノ・ソロ用に編曲をしています。
乙女の願い/春/指環/酒宴/私のいとしい人/花婿
ショパンのピアノ作品を弾くにあたり、ショパン自身が書いた歌曲を聴き、演奏することは大きなヒントを得られます。
左手などが担う伴奏の役割とハーモニーの作り方、主に右手が奏でるカンタービレを伴うメロディーの弾き方、フレーズの捉え方、など、たくさんの気付きが得られると思います。
また、マズルカやポロネーズの演奏にも活かされることがあると思います。
これはいつも自分の生徒たちには伝えていることですが、歌曲に限らず、その作曲家のピアノ作品以外の作品ーーオペラ、交響曲、室内楽などーーを聴くことは多くの学びを得、音色の幅も音楽的なイメージも広がります。
ぜひできるだけたくさんの音楽作品を聴いてみてくださいね。