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西東京市
An die musik ピアノ教室 ブログ

† An die musik(アンディムジーク)とはドイツ語で「音楽に寄す」という意味です

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電子ピアノについて

こんにちは。

先日、あるピアノ講師の方からご質問をお寄せいただいたこともあり、今日は電子ピアノについてのお話をさせていただきたいと思います。

当教室にもご自宅には電子ピアノしか置けないご事情がある方が3名ほどいらしています。
電子ピアノしかお持ちでない方には、初めて面談にいらした時にできることならばアコースティックのアップライトピアノをご購入いただくことをお薦めし、お伝えしていますが、やむを得ないご事情がある方には、ご自宅では電子ピアノで練習しているということを踏まえ、様々なことを想定したり確認しながらレッスンさせていただいています。

そもそもアコースティックピアノ(アップライトピアノ、グランドピアノ)と電子ピアノの違いは何なのか。
みなさまご存知でしょうか?

◆アコースティックピアノにはハンマーなどのアクションがあるが、電子ピアノにはなく、電子はセンサーで音が出る仕組みになっている。

アコースティックピアノは、フェルトのついた木製のハンマーが弦を下から打って音を出す仕組みになっています。

アコースティックピアノの仕組み

一つの鍵盤には(つまり一つの音を出すためには)ハンマーも含め70〜80個の部品が使われており、その構造を「アクション」と言います。
現在のピアノは88鍵ですから、一台のピアノのアクションには6000〜7000個の部品が使われているということになります。

一つの鍵盤を弾くとハンマーが弦を打つのと同時に弦が振動しますが、他の弦も共鳴して響くような構造になっているので、音が複雑に絡み、その結果豊かな音色になります。
すべての弦が共鳴する訳ではなく、相性の良い音と悪い音があります。
例えば、ドに共鳴しやすいのが、ミとソで、レならファ#とラ、という具合に響き合います。
この共鳴する音のことを「倍音」といいます。
(倍音はもう少し複雑なのですが、ここでは敢えてこの程度の説明にしておきます)

ハンマーから弦までは5cmほど距離があります。
鍵盤をゆっくり押せばそれだけハンマーも少し時間をかけて上がるため弱めの音が、速く強く押せばハンマーは速いスピードで上がり強めの音が出ます。
速いか遅いかの二種類ではなく、弾き手の打鍵、つまり指などの使い方によって数えきれないほどの音色が生まれるものなのです。

弾き方によって倍音の出方や分量も変わってきます。
強く弾けば倍音がたくさん出る、という単純なものではなく、弱く弾いても倍音は響かせることができます。
どうしたら美しい倍音を響かせることができるか、そのバランスこそが弾き手(演奏者)の大きな個性となり、聴き手にその人固有の音として届くのです。
この「弾き手、弾き方によりピアノの音色は異なる」ということを学ぶこと、違いを聴き分ける耳の能力をもつことは、上達に大きく影響するので、とても重要です。

電子ピアノにはこのアクション構造が全くありません。
したがって倍音の響きも出ません。
電子ピアノは、鍵盤を押すとセンサーがそのスピードを検知して音量を決め、内蔵された音(録音)の音源をアンプで増幅し、スピーカーから鳴らす、という構造です。

極端な話、どんなに強く叩いたり汚い音を出しても、内臓されている綺麗な音が鳴るので、打鍵、指のタッチ、音色について鈍感になってしまいます。
電子ピアノでただ練習していても、アコースティックピアノで弾く弾き方が身につかない、ということです。
電子ピアノでも上達していく弾き方を、指導者はレッスンの時にきちんと伝授しなければなりません。
初めはなかなか感覚が掴めないお子さんでも、数ヶ月すると音色の違いを理解し、耳が育ち、弾き方が変わってきます。
おうちの電子ピアノでどのように意識して練習すればアコースティックピアノで素敵な音を出せるようになるか、指の形が整っていくか、をレッスンで丁寧に教えることが大切です。

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ピアノ講師のみなさまには、今日のブログのさらに詳しい内容についても指導レッスンさせていただいております。
電子ピアノ使用の生徒さんや、手指の改善など、お悩みをお持ちの講師のみなさま、どうぞお気軽にご連絡ください。

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綺麗な音、豊かな音、繊細な音。。。
ピアノの音色は空に浮かぶ星の数ほど無限にあります。
どうぞ無限にある素敵な音色を奏でられますように♫


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