こんにちは。
昨日、1月31日はF.シューベルトの誕生日でしたね。
シューベルトの残した言葉のなかで、私が一番好きな一文をご紹介します。
「私が愛を歌おうとすると、それは悲しみになった。悲しみを歌おうとすると、それは愛になった。」
この言葉にシューベルトの音楽のすべてが凝縮されているような気がします。
私は小学生の頃に「未完成交響曲」というシューベルトの交響曲第7番《未完成》について描かれた古い映画を観て、その映画をきっかけにシューベルトの生き様に興味を覚えるようになりました。
《未完成》は特に気に入ってレコード(LP)を繰り返し聴いていた記憶があります。
初めて弾いたピアノ曲は《即興曲集 D899》の第3番でした。
この曲を練習していた時期にちょうど祖父が他界したこともあり、曲調からも「お別れの曲」のようなイメージが子ども心に強く残りました。
演奏の参考にディヌ・リパッティのレコードをよく聴いていました。
高校、大学時代はシューベルト、シューマンなどのリート(歌曲)伴奏に積極的に取り組みながら、大学内の室内楽演奏会ではシューベルトのピアノ三重奏曲 D898を選曲し、同期生二人(ヴァイオリン奏者、チェロ奏者)と全楽章演奏しました。
大学に入ってからは主にシューマンのピアノ作品を弾いていたので、はじめはシューマンの室内楽を選曲するつもりでしたが、シューベルトのこの晩年の作品でありながら瑞々しくエネルギーに溢れながらも天国的な美しさを併せ持つD898の魅力に惹かれ、この作品を演奏することに決めました。
藝大の学長も務められたヴァイオリニストの澤和樹先生にもレッスンしていただいたという貴重な思い出もあります。
一昨年の夏に第一楽章を弾く機会があり、この歳になってみてまた見えてくるものも多々あり、シューベルトの音楽の奥深さを再認識しました。
そして、今年の5月に全楽章演奏することになり、昨日もシューベルトのお誕生日に感謝の気持ちをこめて練習しました。
学生時代の書き込みもなかなか思い出深いものがあり、そのまま残してあります(笑)。
ピアノ・ソロとしては、既出の《即興曲 D899》の第3番 Ges-dur を演奏いたします。
演奏会の会場は埼玉県の入間市になりますが、また近くなりましたら詳細をご案内させていただきます。